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舞台挨拶とはなにか

映画が劇場で公開された際に、よくあるのが「舞台あいさつ」です。その映画の出演者、そして監督が文字通り舞台に並んで、その作品を鑑賞しに来てくれた観客に対して挨拶を行うものです。

それはすべての映画で行われるわけではありませんが、映画の制作のためにはなみなみならぬ労力と時間が使われていて、制作の代表者、「監督」にとっては手塩にかけた我が子を披露するようなものなのです。ですから見に来てくれた人、公開を待ち望んでくれていた人に対して挨拶を行うというのは、映画制作側からしてみればごく自然なことでもあります。また、出演者がそのときに人気の俳優、女優なのであれば、その舞台挨拶を行う放映会はよりプレミア感のあるものになることは間違いありません。

映画は世界的な芸術であり、各国でそれぞれ技巧を凝らし、予算をかけ、より良い作品を作ろうと尽力されているものでもあります。「アカデミー賞」などのそれらの映画を表彰する場では映画のありとあらゆる面を評価しようと試みられています。それは映像であったり、音声、音楽、そして衣装や世界観などであったりします。それらは私たちが感じることができるありとあらゆる芸術であり、すべてが関わった人、携わった人の感性の積み重ねでもあります。

ひとつの映画がつくられる規模はまちまちではありますが、それらの芸術がひとつにまとめられ、ひとつのスクリーンで、ひとつの時間軸で私たちの眼前に繰り広げられるわけです。私たちはそれらをすみからすみまで楽しむことができます。舞台あいさつでは、それらをまとめあげた人、作り上げた人の生の声と姿に触れることができます。撮影が大変なものであればあるほど、その作品の世界を再現するために苦心していればいるほど、舞台あいさつの壇上の人々はその場に対して感慨深いものがあるはずです。

上映のあとなのか、先なのか、それによっても違いますが、私たちはその舞台あいさつに触れることでよりその作品を身近なものとして捉えることができるでしょう。映画はただのドラマではないということ、テレビで繰り広げられるただのバラエティーではないということ、後世までに残り続ける「作品」であるということがより実感できるのではないでしょうか。

映画ファン、そしてその作品に出演する俳優や女優の深いファンであれば舞台挨拶に接することもあるかもしれません。自分が贔屓にしている人物がその作品に関わっているとなれば、より楽しみ方も変わるのではないでしょうか。総合エンターテイメントとしての映画をより楽しむための場、その瞬間、その空気をその映画を作った人と共有するという奇跡、それが舞台あいさつです。機会があれば是非、そのプレミアムな時間を楽しんでみてほしいですし、機会があれば是非、その舞台あいさつで誇らしげに語る監督の姿を目にしてほしいものです。その作品がその監督、関係者にとってどれだけ特別なものなのか、どれほど腐心して作られたものなのか、肌で、感性で感じることができるのではないでしょうか。そのとき、改めて映画の芸術性と、「創る」ということの「誇り」を感じることができるのではないでしょうか。舞台あいさつとは、そのような場なのです。

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